第一に、金融危機の影響の大きさである。金融危機による世界同時不況の影響が深ければ、日本経済の復活には長期間を要するようになる。また、仮に不況を脱したとしても、バブル崩壊後の「陽炎景気」と同様に、非正社具にまで景気回復の恩恵が届くまでには相当の時間を要する。希望のない窮乏期間が長期化すれば、暴発するリスクは高まるだろう。希望がないまま高齢化していくことになる。非正社員の高齢化は以前から指摘されていることだが、出口のない不況は「このまま歳をとり続けたら……」という彼らの焦りを一層強いものにする。
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おそらく、非正社員の多くは金融危機の今、「時間の重さ」というものをかつてないほどに感じているのではないだろうか。この感覚が様々な暴発につながる恐れは大きい。第二に、金融危機による不況が長引けば、フリーターにしてもニートにしても、使い捨てにされる可能性は大きくなる。第三に、「チェ・ゲバラ」や「蟹工船」が流行り、共産党員が増えるなど、かつてないほどに反体制ムードが高まりつつあることである。もちろん、フリーターや派遣労働者の多くが「俺たちは反体制だ!」と明言しているわけではない。むしろ、正社員のような生き方を「会社に縛られたせこい生き方」だと批判し、「俺もいつかは金持ちの起業家」と思っているようなバリバリの資本主義者の方が多数派かもしれない。また、彼らの多くがどこまでチェ・ゲバラや蟹工船、また共産党のコンセプトを理解しているのかはわからない。しかし、いつの時代もそうだが、明確な意味やコンセプトなど理解しないままに、人々を惹きつけるムードこそ時代を形作るものだ。その意味では、今徐々に広がりつつある「反体制ムード」が今後5年以内に大きくなる可能性は十分ある。