消費がゆったりとしてくればその伸びは著しく鈍化する。伸びが鈍化するだけでなく、たとえば車などの耐久消費財の場合には買い替えの期間が延びるから、年々の需要規模はそれだけ小さくなるのである。これまでのようなダイナミックな成長を見込んで生産能力を設定していた企業にとって、成熟化はその生産能力の大きな部分が過大となり遊休することを意味する。企業は生産規模を縮小しても利益が出せる構造に自らを変革しなくてはならなくなるのである。
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ダイナミックで持続的な経済成長が見込めなくなり、ゆったりとした成長ペースの中で上昇もまた下降もあるという成熟段階の成長パターンに移行すると、雇用もこれまでのように一本調子で拡大することはなく、経済変動に合わせて雇用規模の縮小も随時行わなくてはならなくなるから、従業員全員の雇用を長期にわたって保障するという事は困難になる“終身雇用”の幻想ももはや維持できなくなるおそれが大きい。また、そうした上下変動のあるゆったりした経済成長の段階に入ると、賃金もこれまでのように定期的規則的に上昇させるということは難しくなる。定期昇給制度を維持することも、毎年の横ならびのベースーアップ賃上げを維持することも難しくなるだろう。